忙しい時などに子どもが言うことを聞いてくれなかったり、 注意しても何度も繰り返されると、困ってしまい ついイライラして怒ってしまうことってありますよね。

 

でも怒った後に、子どもの寝顔を見ながら「ごめんね」と 反省している方も多いのではないでしょうか。

 

「どうしたらいいんだろう」と悩んでいる方に、今回は怒らずに 親も子どもも気持ちが楽になる伝え方についてご紹介します。


「どうしたの?」が解決の糸口

 

 親が伝えたいことが伝わらずについ怒ってしまうことはあると思いますが、子どもは、怒られると「怒り」の感情だけが伝わってしまい、伝えたい「言葉」は伝わりにくくなります。また、「こうしなさい」と言われても納得できないと同じことを繰り返してしまいます。

 

 そこで、怒りそうになった時は、二、三度その場で深呼吸をして「どうしたの?」と、まずは子どもの思いを聞いてみましょう。また、話を聞く時は「~したかったんだね」と子どもの気持ちに寄り添い、受けとめてあげて下さい。話を聞いてもらえると、子どもは受けとめてもらえたと感じ、自分の思いを話してくれます。次に、「~だから~してくれるとうれしいな」と理由を説明した後、親の気持ちとやってほしい行動を具体的に伝えましょう。最初のうちは、子ども自身、気持ちがうまく抑えきれず、親の伝えたとおりには行動できないかもしれません。しかし、何度も繰り返し伝えていくことで、少しずつ自分の気持ちを整理しながら、行動を切り替えていくことができるようになっていきます。

 

 親がこうしてほしいと思うように、子どもにもこうしたいという思いがあります。まずは、歩み寄って子どもの気持ちを聞くことが大切です。話を聞くことで客観的に子どもの行動の理由を考えることができ、意外と落ち着いて対応できますよ。また、伝えるときは、自分だったらどう言われたら納得できるかを考えながら子どもに話してみるのも良いかと思います。

 

 まずは、「どうしたの?」と子どもに聞いてみることからはじめてみましょう。


ほめて認める伝え方

 

 子どもへの伝え方としておすすめなのは、普段からほめて認めることです。

 

 例えば、下の子との喧嘩を減らしたいときは、下の子と仲良くしているときに注目し、「仲良くできてえらいね」とほめましょう。その時に「仲良くしてくれて嬉しいな」と気持ちも一緒に伝えるとより子どもの心に伝わります。

 

 子どもは、ほめられることでどんな行動が良い行動なのかを知るきっかけになります。また、ほめて認められることで子どもの心が満たされ、親が伝えたいことが伝わるようになります。

 

 他にも、ニコニコしている、自分で食事をしているなど当たり前だと思うようなことも「いつも笑顔がいいね。」「ちゃんと座ってご飯を食べられてえらいね。」「うれしいな」と普段のちょっとした子どもの姿をほめることも意識してみましょう。ほめることでお互いに安心感が生まれ、親子の信頼関係につながります。

 

 まずは1週間、騙されたと思って、子どもの普段の姿をたくさんほめてあげてください。きっと、お互いに笑顔でいられる時間が増えると思いますよ。


肩の力をぬいてみよう 

 

 上手に伝えるためには心の余裕をもつことが大切です。子どもにも自分にも完璧を求めず、昨日よりも少しでもできるようになったことに目を向け、子どもたちの成長を見守っていきましょう。

 

 また、最初は子どものペースに合わせることも大切です。特に忙しい朝は、いつもより5分早起きをしてみましょう。それだけでも、話を聞いたり、子どものいいところを見つけ、ほめて認めるために必要な心の余裕がもてるようになると思います。

 

 家事や育児すべてを完璧にこなそうとせず、ちょっと肩の力を抜いて子どもと向き合える時間と心の余裕をつくってみましょう。きっと怒ることが減って、親も子どもも気持ちが楽になると思いますよ。


上手に伝えるためのポイント 5

1. 怒りそうになったらまずは深呼吸をしよう
2. 「どうしたの?」と聞いて子どもの気持ちを受けとめよう
3. 親の気持ちとやってほしい行動を具体的に伝えよう
4. 普段から当たり前と思うことでもほめて認めよう
5. 肩の力をぬいて子どもと向き合う時間と心の余裕をつくろう

※ 2017年4・5月号掲載


★教えてくれたひと


宮崎大学附属幼稚園 教頭
宮崎国際大学 非常勤講師

福島 裕子 先生

「幼児期で一番大切なのは、良い行動を教え、できた時にしっかり認め、ほめることを繰り返すこと」と語る。幼稚園勤続28年。幼稚園教育の指導研究を行っている。