仕事が忙しくて帰宅も遅く、なかなか子育てに関わる時間が取れない。

 

子どもとどう関わればいいか分からない。

というお父さんも多いのではないでしょうか。

 

今回は、父親の子育てへの関わり方についてお話を聞いてきました。


子育てにおける父親の役割

 

 共働きや核家族の家庭が増えたことで、子育てにおいて父親に求められる役割も変わってきています。では、父親としてどのように子育てに関わっていけばよいのでしょうか。

 

 子育てといってもいろいろな役割がありますが、その中で父親に求められる役割は、母親の状況を把握した上で積極的にサポートすることだと思います。父親の積極的なサポートによって、母親の時間的、精神的負担を軽減できれば、母親の心の安定や笑顔につながり、同時に子どもの精神的な安定にも繋がります。

 

 しかし、必要なサポートでなければ逆に母親の精神的な負担になる場合もあります。掃除、洗濯、子どもの送迎、遊び相手など、どんなサポートが必要なのか母親としっかり話をした上で、自分にできることから一つずつ始めてみましょう。また、決して母親任せにするのではなく、一緒に子育てをしていくという意識をもってサポートすることが大切だと思います。


父親が関わることで子どもに与える影響

 

 父親が子育てに関わることは、子どもの成長にとっても良い影響を与えることができます。まず一つ目に、子どもの情緒が安定する点です。安心できる存在に囲まれ、たくさんの安心感に包まれることによって、自分の感情を上手にコント ロールできるようになります。

 

 二つ目は、母親とは違う視点や価値観で子どもに接することができる点です。父親が関わることで、子どもは母親とは違う価値観にふれ、発想力やコミュニケーションが豊かになります。また、ダイナミックな遊びなど母親とは違う関わり方によって、子どもの体験の幅も広がっていきます。

 

 三つ目は、役割分担ができるという点です。どちらかが子どもを叱った場合、もう片方が子どもの気持ちを受け止めて心の避難場所になるなど、役割分担をすることによって子どもの居場所を常に確保してあげることができ、子どもは安心して家庭で過ごすことができます。


子どもとの関わり方について

 

 子どもとの関わりの中で大切にしてほしいことは、「一緒に楽しむ」ということです。また、子どもの好奇心を満たしてあげられるように、父親ならではのサポートをしていただければと思います。

 

 例えば、少し高いところに登ろうとした時、危ないからやめなさいと止めるのではなく、いつでも助けられるように見守りながら、子どものチャレンジを応援してあげましょう。また、子どもが遊びの中で見つけた発見や感動を分かち合いながら一緒に楽しむのもいいと思います。

 

 もし、子どもとの関わり方が分からないという場合は、赤ちゃんの頃からでも手軽にできる絵本の読み聞かせから始めてみることをおすすめします。他にも、子育てイベントにでかけてみたり、自分の趣味を子どもと一緒にしてみるのもいいかもしれません。子どもとの関わり方に正解はないので、楽しみながら自分らしく子どもと関わってみてくださいね。


子育てを一緒に楽しみましょう

 

 父親が子育てに関わることは、子どもの成長に大きな影響を与えるだけでなく、家族の信頼関係や絆が深まるきっかけにもなります。また、子育てを通じて得た新しい発見や刺激は、父親自身の人生もより豊かにしてくれると思います。

 

 子どもが歩けるようになってきたら、父親と子どもだけでおでかけしてみるのもおすすめです。最初は大変な部分もあると思いますが、自分のペースで子どもと関わることができるので、子育ての楽しさを知るきっかけや、子育てに対する自信を深めるきっかけにもなります。また、お母さんにとってはリフレッシュする時間にもなるのでおすすめです。

 

 普段なかなか関われないからこそ、父親と過ごせる時間は子どもにとっても特別なものだと思います。短い時間でもいいので一緒に楽しい時間を過ごしてくださいね。


★ 父親が子育てに関わる時のポイント

 

1.  母親と話をして、自分ができるサポートをしよう

 

2. 短い時間でもいいので子どもと関わってみよう

 

3. 子どもと一緒に楽しんで共感しよう

 

4. 父親と子どもだけの時間をつくってみよう

 

※ 2019年10・11月号掲載


★教えてくれたひと

幼保連携型認定こども園 ゆりかごWEC学院

副園長 延岡男星保育士団 団長

 

國友 弾さん

 

H26年に延岡の男性保育士からなる「延岡男星保育士団」を立ち上げ、お父さんの子育てを応援するイベント「PaPaパーク」を年4回開催するなど家族での触れ合いの場を提供する活動を行なっている。