子どもとお出かけする機会も増える夏休みには、どんな体験をさせればいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、今回は幼児期に必要な体験についてお話を聞いてきました。


幼児期に大切な体験とは?

 

 夏は親子でのおでかけや体験をするにはとてもよい時期です。そこで、今回は幼児期に子どもの心とカラダを育む体験についてお話をしたいと思います。

 

 好奇心がとても強く、なんでも吸収していく幼児期には、いろいろな体験をさせてあげてください。特に、子どもの五感を刺激する体験が大切です。例えば、足の裏で地面を感じ、手で水の感触を確かめる。花の香りを嗅いだり、キラキラ光る水面を見て、波の音に耳を傾ける。このような五感を刺激する体験を意識して取り入れてみてくださいね。

 

 しかし、何か特別なことをしないといけないわけではありません。いつもは行かない所に行くだけでも、子どもにとっては新しい体験につながります。まだ経験が少ない子どもたちには、新しい体験をさせてみたり、新しい場所に連れて行ったりすることで、子どもの興味の幅を広げてあげましょう。そうすることで、子どもが自分からやりたいと思ったり、心から楽しいと思えるものが増えていくと思いますよ。


子どもの心やカラダを育む自然体験

 

 幼児期に五感を刺激する体験として、特におすすめなのは自然体験です。自然の中でいろいろな発見や経験をすることで、子どもたちは様々なことに興味を持ち、「もっと知りたい」「やってみたい」という自発的な心が育ちます。

 

 また、自然の中での遊びには正解がないこともおすすめする理由の一つです。ゲームなどとは違い、遊び方に正解がないので、子どもたちは自分の感性でのびのびと楽しむことができます。自由に楽しむ自然体験は、自主性が伸びる以外にも、思い通りにいかない問題を解決したり、その環境に対応したりすることで子どもたちの生きる力が育まれていきます。このように自然の中で五感を通して得た体験は、子どもの自信につながり、いろんなことに挑戦しようとする気持ちを育んでいきます。

 

 自然体験は遠くに行かなければできないということはありません。近所の草むらや公園で、虫を見つけたり、花冠をつくってみたり気軽に子どもと一緒に楽しんでみてくださいね。


子どもと一緒に体験を共有しよう

 

 子どもがいろいろな体験をするときは、親も子どもと一緒に楽しんでみましょう。子どもだけが遊んでいて親は参加していない場面をよく目にしますが、もったいないと感じてしまいます。親も一緒に楽しみながら、「すごいね」「おもしろいね」と心が通い合う体験をたくさんすることで、子どもの意欲がさらに高まり、コミュニケーション力や人と関わる力も育っていきます。また、子どもが一人ではできないことを親と一緒に達成する体験も大切です。一緒になにかを達成することで相手を信頼する気持ちが育まれ、誰かと目的を達成する大きな喜びを感じる事ができます。

 

 子どもと一緒に体験を共有することは子どもが成長するだけでなく、子どもの新しい一面を見つけることにも繋がり、親子の絆となる大切な思い出にもなると思いますよ。    


親子の体験でたくさんの思い出を

 

 幼児期に親子で自然体験をすることは、子どもの自己肯定感やコミュニケーション力、人と関わる力を育てていきます。また、幼児期に直接体験をして得た感動は、子どもにとってはかけがえのない宝物になります。

 

 いろんなことをどんどん吸収していく幼児期だからこそ、自然の中で挑戦したり、失敗する経験をたくさんさせてほしいと思います。その経験が大きくなってからもいろいろなことに挑戦する気持ちや失敗しても諦めない気持ちを育て、子どもの生きる力を育むことに繋がります。

 

 子どもの頃に親子でした体験は大人になっても色鮮やかに子どもの心に残っているものです。夏は親子で自然体験をするよい機会です。今年の夏も親子でいろいろな体験を楽しんでみてくださいね。


★ 子どもの心とカラダを育む体験

 

1. 五感をたくさん刺激する自然体験をしよう

 

2. たくさん挑戦したり、失敗する経験をしよう

 

3. 親も一緒に子どもと体験を共有しよう

 

4. 親子で一緒に達成する喜びを感じよう

 

※ 2019年8・9月号掲載


★教えてくれたひと

宮崎県立看護大学 名誉教授

 

花野 典子さん

 

1998年から2015年まで同大学で家族看護学(小児)教授を務める。退職後は宮崎市内に遊び場プレイパークを作り、子育て相談などにも応じている。

 

著書『子どもの育ちを支える』